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ドヴァランス デザインのコモンセンス展

東京 / 2021 / 展示会場構成

GYRE表参道で催されたパリを拠点に活動しているグラフィックデザイン・スタジオ、deValence (ドヴァランス)ための展示会場構成。
一見すると視覚的効果の強いドヴァランスのグラフィックデザインは、あくまで与条件を大事にして、情報を効果的に伝えるための結果としてのフォルム(コモンセンス)であり、自身のスタイルを押し出さない、むしろ消失させるかのように計画されている。会場設計ではそのコモンセンスに呼応するように、目を引く珍しい素材ではなく、一般流通材料を使って同じのようにフォルムをつくることを意識した。

エントランスでは、断熱材であるスタイルフォームを使って、展覧会のタイトル「COMMON SENSE」の文字を立体化し、ねじりながら積み重ねることで、外からのアイキャッチと動線の方向付けの機能を持たせた(3D lettering)。メインスペースでは展示されるポスターを傷つけないように磁石によって貼り付け、そのガイドとして内装工事で使われるLGS(軽量鉄骨)を使用した。異なるサイズの21枚のポスターがリズミカルに連続していくようにLGS を傾け、4つの壁面につなげた(Diagonal guide)。自然光が入る最後のスペースでは、既製品の棚に構造用合板を貼り付けて作っただけの木箱を並べることで、表参道の景色を楽しみながら、ドヴァランスの本をゆっくり閲覧できるベンチをつくった(Book furniture)。
これら3つのフォルムは会期後にはそれぞれ、模型材料、建築資材、収納家具として本来の用途に戻ることになっている。

 

画像1,2,4,5 ©2021 Mori Koda