富良野北の峰スキー場に程近い高台に建つウィンタースポーツ、そして富良野らしいガーデニングを楽しむための別荘の計画。十勝岳連峰までの眺望が期待できる2階にLDKや主寝室を設け、積雪の影響を受けやすい１階にはスキールームや倉庫、エクストラベッドルーム等を配した。
四季折々の富良野の色彩を際立たせるために、外装は黒を基調としつつ、それぞれの階の特徴が明確に顕れている。１階は開口部の小さなボリュームを漆黒の高光沢金属パネルで覆うことで、堅固に閉じた箱でありながら、スクリーンとして周囲の光や雪、木々を映し込み、風景と一体となる。２階はガラスの軽やかな透明感と水平エレメントが内外を繋ぎ、細かく分節されたダークステインの杉板が影に隠れることで、室内の白の暖かさを富良野の風景の中に浮かばせた。

画像©2023 永井博史